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CATEGORY[塾メモ]
コメント[ 0 ] 2014年05月19日18:21
南部修太郎が、阿片の味というまんまなタイトルで阿片の味を書いていました。
あまりにも平凡な狂気なのでちょっと貼り付ける。
なんか、しりあがりてんてーのラリラリキノコの感想と似たような頭おかしい人にはあんまり効かないっぽいのがなんとも・・・・詩人のキースさんもロマン派なのに耽溺しなかったらしい。
絶対頭元々おかしいせい。

 その阿片を、私は上海でただ一度生れて初めて吸飮してみた。三ヶ月の支那旅行を終つて、いよいよ明日は日本へ歸ると云ふ前夜、向うで知り合つた二三の友人と別宴を交し可成り醉つてゐた處を例の黄苞車ワンパオツオオでぐるぐる引きまはされたあとなのでどこのどう云ふ處にあつたのか覺えてゐないが、とにかく法租界の暗い裏町にある二流どこの阿片窟だ。勿論それは支那の、而も惡の都上海でも御法度の家で、友人の案内を受けながらまつ暗な狹い路次を曲り曲つてやがてはひつたのが私人の宅らしい感じの二階建、如何にも探偵小説めいてゐるが、外からは燈灯さへ見えないその家のまつ暗な中庭から、扉をあけて進み入るとこれもまつ暗なまるで物置のやうながらんとした部屋なのだ。そしてその一隅にある傾斜の急な階段を手探りに登つて、登りついた二階の廊下の扉を開くと電燈のぱつとした、十疊ほどの長い廣間だ。
『入らつしやい…………』
 まあさう云つたことで、壁際の支那風の椅子に腰かけてゐた三四人の若い女が立ち上る。何れも前髮を垂らした、日本なら潰し島田とか云ふ風な玄人特有の髮に結ひ上げて模樣のある黒繻子かなんかの上着に、半ズボンをはき、足には刺繍のある支那靴。まがひ翡翠の耳飾りに金鑛金らしい指輪、大概毒々しいほどに唇を染めてゐる。そして、遣手婆格の、極まつて小肥りに肥つた、[#「、」は底本では「。」]慾の深さうな、厚顏に馴れてもう表情の無くなつたとでも云ふやうな婆さんが茶を持つて來たりして、客と女達の間をあつせんするのが常だが、こゝでも無論同樣だつた。
『どう阿片をやつてみませんか?』
 友が云つた。
『やつてみませう。』
 私はこはごはながら頷いた。[#「。」は底本ではなし]
 部屋の一端に支那風の四角な寢臺が置いてある。友に教へられて、私はその上に横になつた。すぐ眼の前に豆ランプ、それを間にして同時に女の一人が向ひ合せに横になる。[#「。」は底本ではなし]そして、私は女の手振をぢつと眺めてゐる。と、ちよつと形の説明に困るが、大福餅ほどの大きさと形を持つた雁首に火吹竹ほどの柄をつけた阿片吸飮具を左手にとつた女は右手の耳かき樣なもので枕元の小鑵からちやうどにかわを少しゆるめたやうな褐色の半液體をすくひ上げて、雁首の表面の小さな孔の邊へぬすりつける。そして、そのぬすりつけた處を豆ランプの火焔にかざして、柄の一端に唇を當てながら劇しく吸ふ。ぽやつと芳ばしい匂ひが鼻先にくる。[#「。」は底本ではなし]女はやがてそれを私に渡して同じやうに吸つてみろと云ふ事を手振口振で示す。無論、私が支那語に全く通じないからだ。
 さて、受け取つたのを口に當てて、日本の煙管を吸ふやうな積りで、雁首の孔の處を豆ランプにかざしながら私は三四度ゆつくり吸つてみたと女が駄目だ、もつと激しく吸へとまた手振口振で教へる。これはあとで分つたのだが、ゆつくり吸ふのでは、火焔で煮え立つ半液體が孔をふさいでしまふからなのだ。私は頷いて、ちやうど火吹竹を構へるやうな工合に兩手で柄を握つて、スウツスウツと云ふほどに劇しく吸息を繰り返した。[#「。」は底本ではなし]と、なるほど、今度は孔も塞がらずに、煙草樣の煙が口の中へはひつてくる。が、口ではちよつと云へない特種の強い匂ひは持つてゐるが、それはいい葉卷のやうな嬉しい薫りでもなく、また格別舌に觸れて有難い風味を持つてもゐなかつた。煙草にすれば、十本何錢程度の安煙草の格で、吸つてゐて一向うまくも何ともない。そして、女は三四度半液體の塗り直しをやつてくれて、盛に吸ひつづけてみたが、豫想してゐたやうな快い恍惚状態に達しもせずと云つて、更に催欲的にもならなかつた。
『まづいもんですね、阿片なんて…………』
 やがて寢臺から起き上つて苦笑しながら、私は女達と雜談に耽つてゐる友の側へ歩いて行つた。
『そりや君、阿片の味がほんとに分るまでには、二月ぐらゐは苦勞しなけりや駄目なんですよ。』
 友は笑ひ返しながら云つた。


麻酔がおいしいわけがない。
ASUKAも、ロマン派ばりにラリラリ文学を上梓してラリラリ体験を表現して欲しいのもである。

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